The Nine Provinces Tiara前回予告した、ファビオラ妃の結婚式で用いられたティアラについて。
これは1926年スウェーデンからお輿入れしたアストリッド妃がベルギー国民から贈られたもので、もともとの形はこれ。

見事な大きさの11粒のダイヤでベルギーの領土を象徴したものでした。
このダイヤは取り外し可能。(棒からは取れないみたいだけど。)
同様の大きさ、デザインのダイヤイヤリングとセットだったようです。
ところでこのティアラ、どうしてEleven Provinces(11州)って呼ばないんでしょうね。
私、ベルギーの行政地区の変遷については、からっきし分かりませんが、ざっくり調べるに現在ちょうど11州みたいなんですが。(ブリュッセル周辺+フランデレン5州+ワロン5州)
名称だけが「9」に減ったということは「-2」に意味があるんでしょう。
考えられるのは当時植民地としていたコンゴ(後に独立)の存在ですが…。
でも、なぜ2つとカウントするのか??
この名称の件は諸説あるようです。めんどくさいのでこれ以上は追究しません(笑)。

さてさて、アストリッド妃はベルギー国民からいただいたティアラをにっこり着けてはみたものの、このにょきにょきとダイヤが林立するデザインは内心「・・・・・」と思ったんでしょうか。
ダイヤ周辺の空間を埋めるアーチを追加することにしました。

ハイ、追加。 ⇒
ようするにこのティアラは現在
①ギリシャ風バンドー
②11粒ダイヤ
③アーチ
の3パーツで構成されていて、さまざまに組み合わせたり各々を単品で使うことも可能ということなんですな。

アストリッド妃の後に国王夫人となったリリアン夫人。
(王妃の称号を与えらえることはありませんでした。)
画像は先日、
Queen Elisabeth's Diamond Bandeauで紹介したのと同じだけど、実は今回のNine Provinces Tiaraがブレスレットで使われてました。
他にも彼女はダイヤパーツを別のアクセサリに組み合わせる斬新な使い方もしてますが、もしかしたら、なるべくアストリッド妃と同一の付け方はしないように気を使っていたのかな~と思ったりします。

これはバンドーとアーチのみの組み合わせ。
アーチの形がよくわかるね。

こちらはファビアナ元王妃。
セットのイヤリングもつけてますね。
(アストリッド妃も装着。)
フルバージョンが一番似合うのはもしかしたら彼女かな?
ティアラは髪型とのバランスも大事よね。

しかし、分解が効くティアラって、ほんとフレキシブルに使えていいですねぇ。
フルバージョンは高さが出るので豪華さや威厳が必要なシーンに最適だし、逆にバンドータイプはすっきりシャープ、ネックレスにしちゃうとスーツにも合うほどカジュアルになるし。
右はパオラ前王妃。ステキです。
そして、現マティルド王妃。
彼女はバンドータイプのティアラがホントにお似合いで、ほれぼれしますわ~♡

一つで何通りもおいしい使い方が出来る点、日本もこれから皇室のティアラを作る時に参考にしたらどうだろうと思ったりもします。